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Blogging in A Dampish Dark Place

I am a consumer. As yet I have no name. I’ve no idea where I was born. All I remember is that I was blogging in a dampish dark place.

感想 - どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?

一瞬ギョッとするタイトルですが、著者が正面からこの問題を分析しているからか、不思議と嫌悪感はありませんでした。

著者は哲学者(かつ哲学研究者)ですが、あまり難しい言い回しは使わず、かつ真摯に語ります。講演を文字起こししたであろう章や、散文詩のような章もあり、系統だった構成ではなく、少々雑多な印象がありますが、概ね分かりやすくまとめられていると思います。エッセー集といった性格の本ですね。

「なぜいま死んではいけないのか?」に対する著者の答えは、端的に言えば「わからない」(だと私は理解しました)。ただ、真理を追求しようとするもの(哲学者)であれば、自死という形で可能性を放棄してはならない、とも言います。また、「君が死ぬとぼくは悲しい」とも。

答えを求める人は肩すかしをくらうかもしれません。が、この悩みを抱えたまま生きていく知恵を得たい人や、同じ悩みを持つ者がどのような思考をたどったかを知りたい人は、本書を読むことで少し楽になれるように思います。

至極もっともな悩みであるし、答えも無いが、その悩みを抱えながら生きることもできる。そういうメッセージがあると思います。

センシティブな内容なので、リアルの知人には薦めづらいですが、この本で楽になれるという人々も一定数存在すると考えられますので、こうしてWeb上で紹介することが一助になれば、と思いました。